ウクレレには、本体のサイズや材質、使われているパーツによっていろいろな種類があります。
それぞれに音質や弾き心地の特徴が異なり、使われている木材は見た目にも大きく影響します。
人とは違う自分らしさや細かな好みを表現できるのもまたウクレレの魅力ではないでしょうか。
今回はあなたが自分だけの1本を見つける助けになるように、ウクレレの種類を分ける6つのポイントを紹介します。そのポイントとは次の通り。
- サイズ
- ボディの形状
- 材質
- 合板 or 単板
- ペグ
- エレクトリックウクレレ
さっそくひとつずつ見て行きましょう。
※弦の種類など、後から交換や加工が容易なものについては本記事では割愛させていただきます。
サイズの種類
ウクレレにはソプラノ・コンサート・テナー・バリトンの4種類のサイズがあります。
ウクレレはサイズが大きくなるにつれて、音量も大きく、低音の効いた音になります。例えば、ソプラノとバリトンの音を比べてみると、ソプラノは軽やかな可愛らしい音で、バリトンは低音のしっかりした、丸みを帯びた音に聴こえるでしょう。
ソプラノサイズの特徴
一番ちいさなソプラノサイズが最もポピュラーかつ標準的なサイズです。店頭に並んでいる数もダントツ。
一般的に私達が想像する「ウクレレ」のイメージというと、ちっちゃなウクレレを胸元に抱えて演奏している姿ではありませんか?そのイメージは主にソプラノウクレレから来ています。
見た目の可愛らしさにふさわしい、コロコロとした軽快な音が特徴です。
コンサートサイズの特徴
より高度なテクニックや、ソロ演奏を好む人は、このコンサートサイズを選びます。
コンサートは、ソプラノよりもネック(細長い首のようなところ)が長く、出せる音程の数がすこし多くなります。そのぶん演奏のアレンジの幅が広がるので、ソロ演奏にぴったりなんですね。音が大きいのもソロ向きです。
また、指板の幅が少し広い(=弦と弦の間のスペースが広い)ので、手が大きな方はソプラノよりも演奏しやすく感じるかもしれません。
ちなみに、ソプラノロングネックと呼ばれる、ソプラノのボディにコンサートサイズのネックを合わせたイイとこ取りなウクレレもあります。
テナーサイズの特徴
コンサートサイズよりさらにひとまわり大きいのがテナーサイズです。
出せる音程の数もさらに多く、低音も強くなるので音の迫力が増します。
最近では、多くのプロウクレレ奏者がこのテナーサイズを好んで使っています。かの有名なジェイクシマブクロが愛用しているのもこのテナーサイズ。
バリトンサイズの特徴
一番大きなバリトンサイズですが、正直お目にかかることはあまり多くありません。このサイズになるとほぼギターに近い音になるため、ウクレレである必要性が薄れるのでしょう。
チューニングも一般的なウクレレチューニングのA/E/C/Gではなく、ギターやベースと同じG/D/A/Eとなります。
ウクレレカルテット(バンド)の低音役として見かけることはあります。
ボディの形状
ウクレレのボディの形状は、ひょうたん型(スタンダード型)とパイナップル型の2種類です。また、ひょうたん型にはカッタウェイモデルと呼ばれる、ボディの一部が削られたような形のものもあります。
ひょうたん型(スタンダード型)
ギターと同じ、サウンドホール付近が絞られたような形状で、ウクレレにおいても一般的な形です。
音質は、パイナップル型に比べると中低域がすっきりしていて、ひとつひとつの音がくっきりと聴こえる印象です。
パイナップル型
ひょうたん型に比べると販売数やラインナップの数は少ないですが、ウクレレ特有の可愛らしい形です。南国らしさが漂いますね。
中低域の響きが多めで、少しこもったような丸みのある音が特徴です。
カッタウェイモデル(ひょうたん型)
ひょうたん型の、ネック付近の一部が削り取られたような形状を、カッタウェイモデルと呼びます。
テナーなどの大きなサイズのウクレレや、後ほど説明するエレクトリックウクレレによく見られる形状です。
このようにすることで、指板のハイポジション(よりボディに近い側の高い音)が押さえやすくなります。
ウクレレの材質
ウクレレはそのほとんどが木製です。(プラスチック製や竹製といった変わりダネもありますが)
使われる木材には、マホガニー、ハワイアンコア、メープル、スプルース、マンゴー、アカシア、ローズウッド、・・・などなど、実にたくさんの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
どういった特徴かというと、主に
- 見た目
- 音質
- 価格
などのポイントが木材によって異なってきます。
見た目
まずは当たり前ですが見た目が異なります。
木材はぞれぞれに異なる色合いを持っています。上の画像でマホガニーとマンゴーを見比べていただければ一目瞭然ですが、使われている木材でウクレレのルックスや雰囲気も大きく変わりますよね。
またウクレレは、一見して杢目(もくめ)がわかるような塗装になっていることがほとんどです。
この世に、一本として同じ杢目の木は存在しません。特にメープルやマンゴーは、杢目の違いがはっきりとわかるので、世界に一つの自分だけの一本、という感覚が味わえるでしょう。
音質
木材は、ウクレレの音質にも大きく影響します。
一口に音質と言ってもその評価基準はさまざまで、たとえば音の高低(難しくいえば周波数特性)、音の大きさ、音の伸びなどがあります。
木材による音質の違いでいちばんわかりやすいのは、音の高低でしょう。言いかえると、シャキッとした明るい音(高い)か、丸みをおびた甘い音(低音)か、という違いです。
例えば、ウクレレ木材の王道とも言われるハワイアンコアから作られたウクレレは、高音成分が強く、中低域がすっきりしています。そのため明るく、シャキッとした音の印象を受けます。
いっぽうマホガニーやマンゴーは、どちらかというと中低音が豊かな木材なので、丸みを帯びた甘い音が特徴です。
価格
ウクレレの値段も材質に左右されます。
まず、木材の希少性が高い(=手に入りづらい)ほど、ウクレレの値段は高くなります。
たとえば、ハワイアンコアは文字通りハワイ原産の木材ですが、近年では伐採に制限がかけられており、木材としての希少性が高まっています。そのため、本物のハワイアンコアを使ったウクレレは、他と比べても高価なのです。
また、木材の加工のしやすさが価格に影響することもあります。
初心者ウクレレにも使われることの多いマホガニーは、丈夫なわりにとても加工がしやすい木材です。そのため家具や楽器などさまざまな用途に用いられ、かつ流通している量もとても多いので材料費としては安くなるのです。
合板 or 単板
ウクレレのボディは、板状に加工された木材の集合体です。この板の構造には合板と単板の2種類があります。
合板
合板というのは、ちょうどベニヤ板のように複数の薄い木板を重ねたものです。
それぞれの板の木目が交互に交差するように重ねられており、そのおかげでとても丈夫なのが特徴です。
単板
対して単板は、その名の通り一枚の木板のみで作られています。
合板に比べて音の振動が伝わりやすく、弦を鳴らしたときの音がよく響くのが単板の強みです。
しかし合板よりも耐久性が低く、歪みを防ぐための加工が難しいので、値段は少し高くなります。
ペグ
ペグとは、弦を巻き取って固定するためのパーツのことです。ギアペグとストレートペグの2種類があります。
ギアペグ
ギアペグはギターやベースにも使われるペグで、文字どおりギア(歯車)の仕組みを利用して弦を巻き取ります。
ストレートペグ
ストレートペグはウクレレ特有のシンプルなペグです。ペグを回すと、同じぶんだけ弦を巻き取ります。ギアペグに比べて軽いため、小さな楽器であるウクレレにはよく使われるペグです。
ちなみに、ストレートペグは定期的にネジ止めを調整しないとチューニングがズレやすくなってしまいます。初心者にはギアペグの方が調整しやすく、ハードルが低いかもしれません。
スロテッドヘッド
厳密にはペグではなく、ヘッドの種類の一つなのですが、弦を巻き取る機構のひとつとして最近増えている形です。
本来はクラシックギターによく使われるヘッドです。ギアペグなのですが、大きくあいた穴のおかげでヘッド側の重量が軽くなるため、ウクレレに使ってもほどよく重さのバランスが取れるようになっています。
ピックアップの有無
ピックアップとは、弦が振動して出る音を電気信号に変換し、アンプなどを通してより大きな音に増幅させるための装置です。
このピックアップが最初からついているウクレレのことを、エレクトリックウクレレと呼びます。
ピックアップはたいていサドルの下に設置されており、弦の音(=振動)を拾っています。
このピックアップで拾われた音が、ウクレレに内蔵されたプリアンプと呼ばれる信号増幅装置へと送られ、さらにジャックに繋がれたケーブルを通してアンプへと接続されます。アンプに繋ぐことで、スピーカーを通してさらに大きな音で演奏することが可能なのです。
ウクレレはマイクで集音することも可能ですが、大きなライブステージなどで演奏する場合には、動きやすく余計な音を拾わないエレクトリックウクレレの方が有利でしょう。
ちなみにエレクトリックではないウクレレにも、外付けピックアップを購入すればアンプへの接続が可能です。