かっこいいソロウクレレが弾きたい!という人であれば、知らない人はいないでしょう。「ハワイのジミヘン」ことジェイク・シマブクロさん。

タッピングや高速ピッキングといった、ギターで使われる高等テクニックをとりいれた彼の演奏は、日本でも高く評価されています。

技巧派としての印象が強いジェイク氏ですが、彼はどのようにウクレレと出会い、どのような練習をしてきたのでしょうか。

ウクレレとの出会いは、母からのプレゼント

ジェイクシマブクロがウクレレと初めて出会ったのは彼が4歳のころ、母キャロルからのプレゼントがきっかけでした。

ジェイクの母キャロルも実はベテランウクレレプレーヤー兼シンガーであり、ある意味ジェイクがウクレレに出会ったのは必然と言えるでしょう。

そもそもハワイではウクレレは大切な民族文化の一部であり、小学校のうちから授業で演奏が教えられます。サイズが小さいこと、すべての12音階をすべて出せること、という意味で、ウクレレが子供の音楽教育にむいていることは言うまでもありません。

そんなハワイにおいてさえ、ジェイクがウクレレに興味をもち、そしてのめり込むのは、他の子どもたちより少し早かったといえるでしょう。

幼少期の練習

ウクレレを手にした日からすぐに興味をもった彼は、一日に何時間も練習するようになりました。

この頃はおもに、母からハワイの伝統的な楽曲を中心的に教わっていました。

基本的なことを母から教わったジェイクは、その後ロイ・サクマ・スタジオで7年間ウクレレを学びます。

ロイ・サクマ・スタジオとは今でも毎年ホノルルで開催される、世界初・世界最大級・世界最高峰のウクレレの祭典、「Ukulele Festival」の創始者ロイサクマが開設した、ウクレレスクールです。

このロイ・サクマ・スタジオでの7年を通して、ジェイクはウクレレの伝統的な奏法をすでにマスターしていました。

新しい音楽との出会い

ジェイクが10代後半にさしかかるころ、他の若者たちと同様、彼もロックやポップスにのめりこみました。

ウクレレでは伝統的なハワイアンの楽曲を主に演奏していましたが、一方でいろいろな音楽を吸収していたのです。

そのなかで得たセンスをウクレレに取り入れることで、彼の演奏は全く新しいものに生まれ変わりました。

Youtube動画でも爆発的な再生数を誇り、彼の存在を世界にしらしめるきっかけともなった、ジョージ・ハリスンの名曲「While My Guitar Gently Weeps」のウクレレ
カバー。この曲での成功体験が、彼の新しい分野への挑戦を加速させました。

これ以降、試せるものはなんでも試そうと、高速ピッキングやタッピングといった、これまで誰もやってこなかった型破りな演奏を披露し始めるのです。

また彼の演奏が人を惹きつける理由として、人の目を引く超絶テクニック以外に、演奏の情緒豊かさというのがあります。

ウクレレはギターやバイオリンにくらべると、サスティンが短いのが特徴です。一般的なハワイアンの楽曲はあらかじめこのサスティンの短さが考慮された、短めの符割りの多いアレンジが多くなっており、ある意味表現の幅に制限を与えています。

そのなかでも、多ジャンルの音楽や楽器を研究し続けることで、ピッキングの抑揚や、絶妙な響きのタメなどを駆使して、ロングトーンを表現しています。

日本の琴のトーンにも影響を受けたとコメントしています。

子供のウクレレ

ジェイクは近年までウクレレスクールを開催していましたが、そこの生徒たちのなかには5歳の子供もいるようです。

ウクレレは年齢に関係なく始められる楽器ですし、その上達っぷりも、本人がどれだけ練習したかだけが影響します。

ジェイク曰く「1分でもいいから毎日練習すること」が大事とのことですよ。