最近では多くのプロウクレレ奏者がストラップをつけて演奏しています。
もちろんプロだけでなく、ストラップをつけると演奏が安定するので初心者にもおすすめ。
しかしそんなストラップの導入の障壁となるのが、そう「ストラップピン(=エンドピン)の取り付け」です。
このページを見て頂いているあなたならもうご存知だとは思いますが、一般的なソプラノウクレレには、ストラップを留めるためのピンがついていません。
じゃあどうするかというと、自分でウクレレに穴を開けて、ネジを回して取り付けなければならないのです。
初心者からすると、ウクレレに穴を開けると聞いただけでゾッとしますが・・・実はやってみると意外と簡単な作業です。手順を守れば、失敗するリスクはほとんどありません。
この記事では、ウクレレに安全にストラップピンを取り付ける方法を紹介します。ぜひ挑戦してみてください。
ストラップピンを取り付けるのに必要な道具
- ウクレレ本体
- ストラップピン
- キリ(ドリルでもOK)
- マスキングテープ
- 定規、またはメジャー
- プラスドライバー
- ペン
それぞれ少しだけ解説しておきます。
※ちなみに今回はストラップそのものは紹介していません。これからストラップを買う!という方は「ウクレレストラップを使うべき4つの理由と、選び方」にて、おすすめのストラップを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ウクレレ本体
ただし、プラスチックなどの特殊な素材のウクレレの場合は、穴を開ける場所の構造が異なることもあるので注意が必要です。
ストラップピン
今回は付属のものは使わず、ミニギターやマンドリンにも使える小さめのもの(2個入り)を別途購入しました。
市販されているストラップピンの種類はそれほど多くありませんが、大きいピンのほうがストラップが外れにくい、プラスチック製は金属製に比べて軽いなど、それぞれに特徴があります。事前に自分の好みをなんとなく考えておくと良いですね。
*今回使ったストラップピン: 「Dovewill (2個)ストラップロックボタン」をAmazonで探す
キリ(ドリルでもOK)
一つ注意したいのが、必ずピンを取り付けるネジより細い径のものを選んでください。当たり前ですが、ネジより大きな穴を開けてしまうと取り返しがつきません。
*穴あけにはドリルの方が便利かも: 「ハンドドリルセット」をAmazonで探す
マスキングテープ
*マスキングテープ: 「マスキングテープ」をAmazonで探す
定規、またはメジャー
プラスドライバー
*ドライバーは定番のVesselを使用しています: 「Vessel プラスドライバー」をAmazonで探す
ペン
ストラップピンを取り付ける手順
まず、ストラップの掛け方には2通りあります。
- Aの掛け方・・・アコースティックギターなどと同じ掛け方。安定感がある。
- Bの掛け方・・・サウンドホールが胸のあたりにくるので、ストラップを使わないときに近いフォームで演奏できる。
どちらの掛け方も、ストラップでウクレレを2か所で支えます。片方をテール側(エンドピン)に取り付けるのはどちらも同じですが、もう片方をヘッドにつけるのか、ネックの根元につけるのかで違っています。
ちなみにAの掛け方ではピンは1つしか使いませんが、Bの掛け方では2つ取り付ける必要があります。どちらの掛け方が良いかは完全に好みでしかないのですが、ピンを2つ取り付けておけば両方対応が可能です。
作業としては途中までAもBも同じなので、Aのピンの付け方から順に説明しましょう。
1. ピンを取り付ける場所を確認する
最初にピンを取り付ける場所を確認しましょう。1つめのピンはボディのおしり側(テール)のちょうど真ん中につけます。
2. マスキングテープを貼る
まずは目測で大丈夫ですので、ウクレレのセンターライン(中心線)に沿ってマスキングテープを貼ります。テール側までまっすぐ貼りましょう。
3. ウクレレのセンターを測る
念のため、ブリッジの幅を測り、そのちょうど真ん中の位置を測っておきましょう。マスキングテープのだいたい真ん中に来ればOKです。(もともとウクレレの中心に線が入っている場合は、その線にそって穴を開ければいいので、この作業は不要です)
4. さらに上下中央を出す
ウクレレの厚みを測ります。
先ほど測ったブリッジの中心(センターライン)の延長線上にくるよう意識しながら、上下のちょうど真ん中に印をつけましょう。1〜2ミリのズレであれば大きな影響はありませんので、神経質になりすぎる必要はありません。
この印のところにピンを取り付けていきます。
5. ネジ穴を開ける
ピンを取り付ける前に、キリ(またはドリル)を使ってネジ穴を開けます。
あらかじめネジ穴を開けておかないとボディが割れてしまうので、必須の作業です。必ず使うネジの長さだけ、穴を開けておいてください。
このとき、マスキングテープの上から穴を開けることで、木材の表面にヒビが入るのを防ぐ・・・らしいです。
らしい、というのも、マスキングテープ無しで穴を開けられている方もたくさんいるので、必ずしも必要では無いようなのです。管理人はビビリなので、マスキングテープを使ってしかストラップピンをつけたことがありません。
マスキングテープ無しで行う場合は、後でピンで隠せるくらいの小さめの目印を、直接ウクレレに書き込みます。
6. ネジを回していく
穴が開けられたら、ピンを取り付けてネジを回して行きましょう。マスキングテープはつけたままで大丈夫です。焦らず、少しずつギュッ、ギュッと回してください。
最初はネジを回すのに少し力がいるかもしれません。
ドライバーはサイズのあったものを使い、きちんとネジを押し付けながら回すのが基本です。
ギュッと回し込んだら、ちょっとだけ戻す。そしてまたギュッっとひと回し、また戻す。これを繰り返して最後まで回しきります。
7. マスキングテープを取る
最後まで回しこむことができたら、一度ネジを外して、マスキングテープを外します。ネジを緩めるときも、ドライバーを押し付ける力は緩めずに。
8. 取り付け完了!
もう一度ネジを回しこんだら、1つ目のネジの取り付けは完了です!
9. ストラップをピンにつける
ストラップの片方をピンに取り付けます。
10. ヘッド側は紐でくくりつける
もう片方はストラップに付属のヒモでヘッドに括りつけます。
(ヒモはなんでも構いません。付属していなければ、靴ヒモやファイル止めのヒモでも大丈夫です。)
11. Aの掛け方完成
これでAの掛け方の完成です!
ちなみに今回はヘッド側のヒモに、ワンタッチで取り外し可能な脱着式ストラップ用ヒモを使ってみました。ウクレレのストラップは短いので、これがあると取り外しが楽です。
D’Addario プラネットウェーブス アコースティックギターストラップ用紐 DGS15
12. Bの掛け方編(もうひとつのピンをつける)
ここからはBの掛け方をするための方法です。
Aの掛け方ではピンは1つしか使わないので、本来はストラップに付属のピンだけでも十分でした。しかし、Bの掛け方ではもうひとつピンをつける必要があるので、今回は2個入りのストラップピンを別途購入しています。
Aの掛け方で一度試してみて、しっくりこないようであればもうひとつピンをつけてBの掛け方を試してみる、というのが無難ですね。
13. ピンのつける場所
もうひとつのピンをつける場所は上の画像の1〜3のどれかです。
テナーウクレレなどは1の場所についているのをよく見かけるので、今回は1につけます。ここに着けるとストラップが外れにくくなります。
14. 目印をつける
1つ目と同じように、マスキングテープで目印をつけます。今回は明確に決まった場所があるわけではありません。左手でハイポジションを押さえてみて、邪魔にならない場所にしましょう。
15. ネジ穴を開ける
同様にネジ穴を開けますが、角度に注意してください。複数の角度から見て、ネジがネックを突き抜けたりしない場所を選びましょう。
ネジの長さが長すぎると感じた場合は、短めのネジに交換して構いません。短くてもしっかり固定できます。
16. ピンを取り付ける
これも同様にネジを回してピンを取り付けます。微妙な角度にドライバーを立てるので、怪我をしないように気をつけて。
17. Bの掛け方完成
マスキングテープも剥がして、ピンが取り付けられたら、あとはストラップをつけるだけです。
ストラップを直接ピンにつけるか、紐でくくりつけるか、どちらでも好きな方で大丈夫です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
最初は緊張しますが、一度やってみると意外とたいしたことはありません。自分で手を加えたウクレレは愛着が湧いたりもするので、ぜひチャレンジしてみてください。
とはいうものこ、ここまで読んでみて「それでもやっぱり自分でウクレレに穴を開けるなんてムリ・・・」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな時は無理せずお店にお願いするのが一番です。ウクレレを販売しているお店であれば、2000円以下(ストラップピンは別)で取り付けてくれるはずです。
ストラップをつけると、人によっては革命的と言ってもいいほど演奏がラクになります。お気に入りのデザインのストラップを見つけて、ぜひ愛機に取り付けて見てはいかがでしょうか。
*やっぱりストラップは嫌だ、という人にはこちらの記事がオススメ
演奏がラクになる、ウクレレの基本の持ち方・構え方