あなたは楽器のお手入れは頻繁にしたい派ですか?ウクレレは汚れがあまり目立たないので、意外とほったらかしの人も多いかもしれません。
ですが、ウクレレにホコリや手アカがついたまま放置すると、それらのヨゴレが空気中の水分を吸ってしまい、さらにそこにホコリが集まる、という悪循環が起こってしまいます。
これらのヨゴレは時間が経てば経つほど目立ちやすく、落ちにくくなります。これは見る人によってはかなり嫌悪されるので、気をつけたいところ。
見た目だけではありません。溜まったヨゴレはウクレレの表面の鳴りを抑えてしまい、音質にも影響してしまうのです。
思いついたときにはさっとお手入れできるよう、ウクレレの正しいお手入れの方法を覚えておきましょう。
日々のお手入れ
日々の演奏後のお手入れ・メンテナンスは、楽器用のクロスで乾拭きするだけで大丈夫です。
普通のタオルなどでは、汚れが落ちにくいだけでなく楽器にキズをつけてしまう可能性もあるので、きちんとした楽器用のクロスを使いましょう。
MORRIS MCC-2 クリーニングクロス
とくに演奏で手が触れる部分はしっかり磨きましょう。
- ペグ
- ネック
- 弦
- ボディのトップ(特に右腕がふれるところ)
などは演奏後にはいつも磨きたいですね。
年に数回のしっかりとしたお手入れ
日々のお手入れはクロスを使った乾拭きで十分ですが、年に数回、オイルやポリッシュを使ってしっかりとしたお手入れもしてあげましょう。
オイルやポリッシュを使う目的は次の通りです。
- オイル・・・指板に潤いをあたえ、ヒビ割れを防ぐ。指板をきれいにする。
- ポリッシュ・・・普段の手入れでは落ちないしつこいヨゴレを落とす。ツヤを出す。
とくに指板は、長年使うとカビやしつこいヨゴレがこびりついたり、季節によっては乾燥してヒビが入ったりします。
そうならないためにも、例えば3〜4ヶ月に1回、季節の変わり目ごろにこれから紹介する手順でしっかりお手入れしましょう。
オイルやポリッシュを使ったお手入れの手順
準備するもの
- ポリッシュ ・・・今回は「ケンスミス/プロフォーミュラ ポリッシュ」を使用
- オイル ・・・今回は「ハワード/オレンジオイル」を使用
- 安いクロス ・・・オイル用。日々の乾拭き用とは別のもの
- クロス ・・・ポリッシュ用。これも別途用意
1. 弦を緩める
弦をブヨブヨになるまで緩めて、ネックの外側に逃がします。
今回は扱いやすいようにマスキングテープで弦を止めましたが、無くても問題ありません。弦交換のときであれば、弦をすべて外した状態でやるとラクです。
オイルを塗る前は、見るからに指板が乾燥していますね。
2. オイル用のクロスにオイルを塗る
オイル用クロスに、500円玉強の大きさのオイルを垂らします。
今回使用するオイルは、超定番のハワード/オレンジオイル。楽器店ではレモンオイルもよく見かけますが、オレンジオイルのほうがしっとり感が強く、かつ匂いがマイルドなのでお気に入りです。
ちなみにここで使うクロスはオイルも垂らすし、ヨゴレもたくさんつくため、消耗品です。高いクロスだともったいないので、安いクロスで問題ありません。百均で売っているファイバークロスやメガネ拭きなどでも全然OK。
(それにしても今回使ったクロスは汚すぎました)
3. 指板全体にオイルを塗る
まずは指板にまんべんなく、さっとオイルを塗り込みます。
しっとり感が足りないな、と感じたら途中でオイルを追加してもOK。ただし液ダレがするようであればつけすぎです。
4. フレットごとにしっかり磨いていく
こびりついたヨゴレが落ちるまで、しっかり磨いていきましょう。
特にフレットの際(きわ)はヨゴレがたまりやすいので、爪を布に当てるなどしてうまく磨きます。ひどい場合は、爪楊枝や綿棒にオイルをしみこませ、直接ヨゴレをとります
ちなみにフレットは金属ですので、使っているうちにどうしても錆びたりくすんだりしてきます。ちょっとした手間をかけるとこれをピカピカにすることもできますが、その方法はまた別の記事で。
参考:ウクレレのフレットをピカピカにする方法
5. 最後まで磨いたら、指板の潤いを確認
ヨゴレがきちんととれたことを確認したら、指板がしっかりと潤っていることを確認してください。
写真ではわかりづらいですが、指板の色が艶のある濃い茶色になりました。
ちなみにオイル磨きはあまり頻繁にやりすぎると指板が膨張してしまいます。一度オイル磨きをしたら、よほど乾燥していない限り少なくとも1~2ヵ月は間をあけましょう。
6. ポリッシュ用クロスにポリッシュを塗る
ここからはポリッシュを使って、指板以外をクリーニングしていきましょう。
まずはポリッシュ用のクロスに、ポリッシュを2~3プッシュ垂らします。
柔らかいファイバー系のクロスのだとヨゴレの吸着力があるのでオススメです。
7. ムラなく磨き上げる
ボディやヘッドまでまんべんなく磨き上げましょう。
今回使っているケンスミスのポリッシュは、楽器屋でもよく使われる定番ポリッシュです。はっきりとツヤが出るうえに、手触りもすべすべになります。
ケンスミスはかなり楽器に優しいポリッシュですので、楽器の塗装にダメージを与えることはまずないと思われます。
とはいえ高価なラッカー塗装や、そのほか特殊な塗装など、とてもデリケートな塗装のウクレレも存在します。
目立たないところで事前に試すなどして、あくまで自己責任で作業をお願いします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ウクレレは体積が小さいので、お手入れはあっという間です。いったんお手入れをはじめるとなぜだか愛着が湧き、さらにお手入れしたくなってしまうという不思議なジレンマも。
メンテナンスの行き届いたウクレレは年数が経つにつれ艶が増し、なんだか演奏もうまく見えてしまいます。放置派のあなたも、ぜひともいちど腰を据えてお手持ちのウクレレをしっかりお手入れされて見てはいかがでしょうか。