アイキャッチ:ウクレレの持ち方・構え方 780-500
ウクレレで淀みのない美しい音を出すためには、右手のキレや左手の押さえ方がとても重要です。

そしてその両手をいかに自由に、かつ機能的に動かせるかどうかは、ウクレレの持ち方にすべてかかっているといっても過言ではありません。

今回は、ウクレレの基本の持ち方・構え方について解説します。

正しい基本の持ち方

ウクレレの基本の持ち方

まずはストラップを使わず、立って演奏する場合の持ち方から。これがウクレレのもっとも基本的な持ち方になります。

ウクレレをヒョイと持ち上げて、胸元で演奏する姿はとてもかっこいいですよね。ぜひマスターしましょう。

*今回は右利きの場合を想定して説明します。左利きの場合はすべてが左右逆になります。

  1. ①ウクレレの根元を持つ
    まずは右手で、ボディのトップ側からネックの根もとを握ります。
  2. ②右前腕とウクレレが一直線になるように右手の前腕(ヒジから手首まで)がウクレレと一直線になるように持ちます。
  3. 写真4.サウンドホールを体の中央に引き寄せる 500*320サウンドホールが、体のおおよそ左右中央にくるように、ウクレレを胸元に引き寄せます。ぴったり真ん中ではなく少し右にずれても構いません。
  4. 写真5.ヒジよりの部分でウクレレをしっかり固定 500*320前腕のヒジ寄りの部分でウクレレがしっかり固定されていることを確認してください。
  5. 写真6.二の腕に当てると安定 500*320このとき、ウクレレのおしり部分を二の腕に当てると安定しやすくなります。(腕の長い人は無理にくっつける必要はありません)
  6. 写真7.体との間に拳ひとつぶんのスペース 500*320写真7.体との間に拳ひとつぶんのスペース 500*320胸とウクレレとボディの間には、拳ひとつぶんくらいのスペースを空けましょう。
    *これ重要。
  7. 写真3. 左手をまっすぐ開く 500*320ここからは左手でのネックの支え方です。

    左手をまっすぐ開きます。親指は立てた状態で。

  8. 写真3. ロボットのように左腕を直角に曲げて 500*320ロボットのように左手を直角に曲げて、親指と人差し指の間の部分でネックの1 〜 3フレットあたりを支えます。
  9. 写真5. 左手の力をふっと抜く 500*320左手の手のひらと指の力をふっと抜きましょう。手のひらと指が柔らかく曲がるはずです。
  10. 写真9. ヘッドは軽く持ち上げる 500*320ウクレレは地面と平行ではなく、ヘッド側が少し持ち上がるようにネックを支えましょう。
  11. 肘の角度はほぼ直角 780*500左腕の肘はおおよそ90°になるくらいが演奏しやすいです。
  12. 写真10. 楽に動かせることを確認 500*320以上が基本的なウクレレの構え方です。

    ネックの根もとあたりを適当に鳴らしてみて、右手がラクに動かせることを確認しましょう。

どうですか?難しいですか?

ちなみにこの持ち方で演奏すると、下の動画のような様子になります。

【演奏動画】

慣れてくると、ウクレレを固定している部分を軸にして、かなり自由に右手を動かせるようになってきます。

続けるうちにかならず安定した演奏ができるようになりますので、いつも思い出すようにしましょう。

こんな持ち方になっていませんか?ダメな持ち方!

間違った持ち方 780*350

自分が正しいフォームで持てているか、悪い例をみながらチェックしてみましょう。

・ウクレレのトップ(表面)が上を向いている

写真11. 悪い例:ウクレレのトップが上を向いている 500*320
指板をよく見たい気持ちはわかりますが、これでは両手のフォームが崩れてしまってスムーズな演奏ができません。ウクレレのトップはまっすぐ前を向くようにしましょう。
・ウクレレを覗き込もうと、極端な猫背になっている

写真12. 悪い例:猫背になっている 500*320
これもウクレレを始めたばかりの頃にありがちです。猫背だと長時間の練習で疲れてしまいますし、単純にかっこ悪いです・・・。前面からではなく、上から見下ろして弾く練習をしましょう。
・ヒジが完全にウクレレから離れている

写真13. 悪い例:ウクレレから肘が離れている 500*320
ウクレレを手首あたりで支えている状態です。ストラップなしでこの持ち方をすると、柔軟なストローク(=和音をかき鳴らすこと)ができません。また、弦を弾く場所もブリッジ側に寄りすぎです。
・ウクレレが地面と平行になっている

写真14. 悪い例:ウクレレが地面に平行になっている 500*320
ネックは地面と平行よりも少し持ち上げることで左手がスムーズに動かせます。
・ウクレレと体の間にスペースがない

写真12. 悪い例:肘の角度が狭い 500*320
ウクレレのボディが胸にべったりとついてしまっています。左腕の角度が狭くなっているので、動かしづらいフォームです。
・右手でウクレレの上のほうで支えている

写真15. 悪い例:ウクレレを上の方で支えている 500*320
ストラップなしだと、ウクレレがずり落ちやすい持ち方です。
・右前腕がウクレレを下から支えている

あまりに下すぎると、指弾き(アルペジオ)が難しくなります。
・脇が開いている

写真18. 脇が開いている 500*320
力んでしまって脇が開いてしまっていませんか?写真は左脇が開いてしまっていますね。肩から二の腕にかけてリラックスするように心がけましょう。

座った時の持ち方

写真17. 座った時の持ち方 780*500

座っているときでも、基本的な持ち方は同じです。立ったときと同じ要領で、胸元でウクレレを支えるようにしましょう。

ただし、座って演奏する場合にかぎり、ウクレレを太ももの上にのせて弾くこともできます。

ウクレレを太ももの上において演奏する

写真18. ウクレレを膝の上に乗せて弾く 780*500

ウクレレのテール(おしり部分)を、右ふとももの上に軽くのせて、右手は少し上の角度から弦を弾きます。

右手前腕でウクレレを固定する必要がなくなり、右手全体が自由になるので、こちらのほうが弾きやすく感じる人も多いでしょう。

ちなみにこの弾き方は、前述した「基本的な持ち方」とは弾き心地が大きく変わります。右手とウクレレが一直線にならないからです。

多くの人が簡単な練習の時などに行なっている、とても一般的なスタイルです。しかしこの弾き方にだけ慣れてしまい「基本的な持ち方」をおろそかにすると、立って演奏するときに困ります。どちらのスタイルも出来るようにしましょう。

ストラップを使った時の持ち方

写真19. ストラップをつけて弾く 780*500

「基本的な持ち方」をおろそかにすると立って演奏するときに困る、と言いました。しかし、「立って弾くときは、毎回ストラップつけるもんね」というのであれば、話は別です。

ストラップは、その「自由度」がメリット

ストラップをつけると、演奏の自由度はかなり上がります。特に肩掛けタイプなどは、ウクレレから両手を放すことも可能です。

そんな自由度の高いストラップだからこそ、あえて細かいことは気にせず、自分の好きな弾き方にトライするのがいい。と、管理人は考えます。

例えば、
あえて低く構えてみたり、はたまたヘッドを突き出して演奏してみたり。

写真20,21. ヘッドを突き出して見たり低く構えて見たり 780*500

写真は極端ですが、なんだかロックな感じもしておもしろいですよね。”個性”というのもまた、音楽にとって重要な要素だと思います。

とは言うものの、ウクレレを美しくスマートに弾くうえでは、「基本的な持ち方」がもっとも合理的な持ち方であることは間違いありません。そこは理解したうえで、いろいろと遊び心を持ってウクレレと接するのも一つの楽しみ方です。

参考記事
ウクレレストラップを使うべき4つの理由と、選び方

大きなウクレレはとくにストラップがおすすめ

ウクレレの高さとサイズ 780*500

「高さを自由に変えられる」というのは、いろいろなサイズのウクレレを弾くうえでも、ストラップの大きな利点です。

というのも、体格の小さな人がテナーサイズなど少し大きめのウクレレを弾くとき、ウクレレを体の真ん中に持ってくると、ウクレレが大きすぎて弾きづらくなってしまうことがあるのです。

ストラップを使えば、ちょうどよい高さにウクレレを下げることができるので、体格に限らずいろいろなサイズのウクレレに挑戦することができます。

左手のネックの握り方と、右手の使い方

写真22. 左手のネックの握り方と、右手の使い方2 780*500

良い音をだすためには、左手のネックの握り方や弦の押さえ方、あるいは右手の手先の角度も重要なポイントです。

これらについては、下記の記事でわかりやすく説明しているので参考にしてください。

まとめ

同じフレーズを何度も練習しているのに、いっこうに上手くならない・・・
そんなときは、持ち方やフォームをかえてみるだけですんなりと弾けてしまうことが多々あります。

初心者のうちから正しい持ち方を習得しておくことで、余計な遠回りを防ぐことにもなります。速い段階でマスターしておくのがおすすめですよ。