ウクレレで弾きたい曲があるのに、手元にギターの楽譜しかない!なんてことがあります。
そうなんです。最新J-POPやマイナーな洋楽曲など、ギターの楽譜は世の中にたくさんあるのに、ウクレレとなると悲しいかな数が減ってしまうのです。
そんなとき、
- ギターのTAB譜やコードブックを使って、ウクレレは弾けないのかな?
- ギターとウクレレって、コードの押さえ方は違うのかな?
純粋にそう思う人も多いはず。
今回は、ギターの楽譜を使ってウクレレを弾く3つの方法と、その原理をかんたんに解説します。
ウクレレ専用のコード一覧表を使う
出典:http://blog.livedoor.jp/ya2pan2/archives/furusato.html
上の画像は、ギターのTAB譜の例です。
同じ弦楽器でということで、ついつい楽譜の6本のうち、4本だけウクレレで同じ場所を押さえたくなります。
しかしギターとウクレレでは、そもそも弦の調律(=チューニング)が違います。同じ場所を押さえても同じ音にはなりません。
しかし開放音(どこも押さえずに鳴らした弦の音)の音程が違うため、同じフレットでも音程はまったく違うことがわかります。
例えばEmやCはウクレレではこう押さえます。
- Em(イー・マイナー)
- C(シー)
結論をいうと、ウクレレでギターの楽譜をそっくりそのまま弾くことはできません。
面倒ですが、基本的には同じ音程をひとつひとつウクレレの指板上で探す必要があります。
この場合は、ウクレレ専用のコード一覧表を用意して、ウクレレのコードの押さえ方をひとつずつ確認しましょう。
ウクレレのコード表【手の写真付きで見やすい!】
コード(和音)を構成する音はギターもウクレレも同じなので、同じコードなら適当な順番で弦を弾いたとしても似たような響きになります。
少し変化をつけてあげれば、かなりギターのアレンジに近い演奏ができるはず。
もちろん弾き語りやストローク演奏ならまったく問題ありません。
ちなみにウクレレを本格的に練習するつもりなら、ウクレレのコードはウクレレのコードとして別に覚えてしまったほうが早いです。
ギター経験者には少しおっくうかもしれませんが、弦が4本しかないのでギターより覚えるのは簡単ですよ。
ちなみに楽譜のリズムの読み方はギターもウクレレも変わらないので、そのまま参考にしてください。
ギターのハイコードを当てはめる
やっぱり全然違いますね。
でも、よーく見てみると・・・
実はギターの1〜4弦の5フレット以降の音程は、ウクレレの音程とまったく同じなのです。
つまりギター用のTAB譜であっても、1〜4弦の5フレット以降のフレーズが頻繁に登場するアレンジなら、そのままウクレレに利用できてしまうということ。
ギターはフレットの数が多いので、同じコードでも、低い響きの押さえ方や高い響きの押さえ方などいくつかの押さえ方があります。
その中でも高い響きの押さえ方のことを、ハイコードと呼びます。
ギターのCのハイコードを例に挙げます。
ハイコード(ⅲ)が、みごとにウクレレのCと同じ押さえ方なのに気づきましたか?
そんなわけで、ギター経験者で、しかもハイコード全部覚えてる!と言う強者はそっくりそのまま使ってしまってもOKです。
といっても、そのような強者はあまり見かけないので…やっぱりウクレレコード表を見たほうが早いかも。
曲のキーを変える①
弾き語りをするわけでもなければ、他の楽器と一緒に演奏するわけでもな。というのであれば、思い切って原曲よりも高いキーで弾くのはどうでしょうか。
先ほどのギターとウクレレのフレット音程の図を思い出して欲しいのですが、ギターの1〜4弦の5フレット以降の音程はウクレレの音程とまったく同じでした。これは言いかたを変えると、ギターの1〜4弦を5音高くするとウクレレと同じ音になる、とも言えます。
つまり、ギターの楽譜に載っているコードの押さえ方をそのままウクレレで押さえた場合、曲全体のキーが5音高くなるだけ、ということになります。
弾き語りの時はボーカルも5音高くなってしまう、原曲に合わせて演奏することができない、などの条件はありますが、ウクレレ自体の音の印象は5音高くても違和感はないはずです。
これが一番手っ取り早くギターの楽譜をウクレレで弾く方法ですね。
曲のキーを変える②
一方次は、原曲のキーに忠実に演奏するために、ギターの楽譜からひとつひとつウクレレのコードを確認していく場合。
ギターの楽譜を単純にウクレレのコードに置き換えていくと、中にはウクレレでは押さえるのが少し難しいコードもあります。
近年のポップソングでは、#や♭などのウクレレではあまり使わないコードを使っていたり、小難しいオンコードが使われます。
コードの構成音のうち、いちばん低い音だけ別のコードに変えること。例えばC/Gだったら、ほとんどCの押さえ方になるけど、いちばん低い音だけGを押さえます。
こんなときは思い切ってキーを変えるのも手です。
キーを変えるというのは、曲全体、つまり曲中に登場するすべてのコードを何音かずらすこと。キーを変えるだけでコードの押さえ方がガラリと変わり、左手がラクになることがあります。
ではキーを変えるにはどうするか。
例えば、D→A→Bm→Gというコード進行の曲があったとします。
原曲どおりなら、次のような押さえ方になります。
人差し指1本で3〜4本の弦を同時に押さえること。
ではこの曲のキーを2音下げてみましょう。
キーを変えるには、まずアルファベット表記の音階を思い出してください。
半音(#)も含めた全12音階のなかで、曲に使われているすべてのコードを同じ数だけずらします。
押さえ方はこうです。
もとの押さえ方に比べて、ずいぶんと簡単になりましたよね?
ただし繰り返しになりますが、弾き語りのときはボーカルの音域、バンド演奏のときは他の楽器との調整が必要なので注意してください。
また、どんな曲でもキーを変えるだけで演奏しやすくなるわけではありません。
いくつかのコードは簡単になるけど、逆にその他は難しくなる、なんてこともあるので試行錯誤は必要です。
カポタストを使う
バレーコードばかりで構成されている曲は、カポタストを使うと演奏がラクになるでしょう。
例えばBm→D#Maj7→Gadd9→Dというコード進行のフレーズ。コード名からして難しそうですね。
まともに押さえようと思うと次のようになります。
使う指は1本だけ。とても簡単になりました。
ちなみにウクレレもギターと同じく、コードの押さえ方はひとつではありません。
上の例でいえば、Dが押さえ方の配置が変わっていますが、構成音は同じなので聴こえ方も同じです。
このように指の押さえ方を少し変えるとカポタストを使ってラクに弾けるコードもあります。色々と研究してみましょう。
ちなみにカポタストに慣れておくと、弾き語りの時に、声域に合わせて簡単にキーを変えられるという利点も。
まとめ
ギターとウクレレは、どちらも全12音階を出せる楽器です。
同じフレットを押さえても同じ音は出ませんが、少し変えれば同じ音は出せてしまうのです。
とはいっても、ウクレレには4本しか弦がありません。どの音をどの弦で弾くかで、聴こえ方の印象はかなり変わります。
曲を通してどの押さえ方をどんな順番で弾くかが、アレンジの妙であり、センスの見せ所でしょう。
ぜひとも左手のラクさと音のかっこよさを天秤にかけながら、研究してみてください。